2018年2月25日開催 英語「翻訳者への道」アフターレポート

  • 2018.05.09 Wednesday
  • 12:00

「通訳者・翻訳者への道」セミナーが、2月25日(日)に開催されました。今回はセミナー始まって以来初の3部構成。第1部では、産業翻訳者でありサイマル・アカデミーの講師を務める成瀬由紀雄先生と、出版翻訳者であり同じく講師の長島水際先生が登壇されました。ここでは、第1部の内容を紹介していきます。

 

第1部 英語「翻訳者への道」

 

パート1:産業翻訳者への道


講師:成瀬由紀雄


○なるせ・ゆきお 商社勤務、高校の英語教師、編集業務などを経て、フリーランスの産業翻訳者に。サイマル・インターナショナル、タイムインク、大日本印刷などのクライアントを経由して官公庁、企業、大学等から多種多様な翻訳・人材教育・英文出版業務等に従事。2002年からはサイマル・アカデミー産業翻訳者養成コース講師。

 

 

やる気次第で道は開ける


成瀬先生が講師を務める翻訳者養成コースの最大の目標は、「生涯を通じて翻訳の仕事ができる翻訳力を獲得すること」。翻訳エージェンシーに登録することが最終的なゴールではありません。そのため、登録したその日から仕事ができるようなプログラムを提供しています。例として、一つの英文からいくつもの訳文を考えるトレーニングが挙げられました。訳文の選択肢を広げることで、「価値の高い」訳文を生む可能性を高めることが目的です。修了生の中には、翻訳者としてデビュー後、翻訳力の基礎を磨くために再び受講している方も。「学習」と「実践」を意欲的に往復することで、翻訳者になった後も翻訳力を伸ばし続けることができます。

 

また、多くの方が懸念する、今後の機械翻訳による影響についてのお話もありました。先生は、「機械翻訳を利用した大量処理案件」と「人間の手による高度な案件」に分かれていくと予想。特に前者は「翻訳市場の大半を占めることになるのでは」と予測しています。しかし、人工知能の発達によって「言語情報処理としての翻訳」、すなわち英文和訳が編集されたような翻訳が増加したとしても、その文章の本質を捉えた「心と心をつなぐ翻訳」は人間にしかできません。「人間の心を人間に伝えることができるのは人間だけ」という言葉には、深く納得させられました。

 

機械翻訳の影響に限らず、他にも年齢や経験、専門的な知識がないこと等を気にして、翻訳者になることを思いとどまる方は多いのではないでしょうか。しかし、これまで先生が受け持ってきた受講生は、70歳を超える方文学部出身で財務諸表という言葉も知らなかった方主婦や子育て中の方など実にさまざま。いずれも猛勉強の末に翻訳者になった方々ですが、少なくとも翻訳者への道の入り口は、年齢も知識量も経歴も関係ありません。本人のやる気次第で道は開けるということを教えていただきました。

 

 

 

 

 

パート2:出版翻訳者への道


講師:長島水際


○ながしま・みぎわ サイマル・アカデミーを卒業後、サスペンス、ミステリーを中心に翻訳を行なっている。サイマル・アカデミー翻訳者養成コース出版翻訳講師。訳書:コーディ・マクファディン「暗闇」、「戦慄」、「傷痕」、ノーラ・ロバーツ「真昼の復讐者」他多数。

 

 

翻訳との出会いと翻訳者への道


長島先生はサイマル・アカデミー修了生。翻訳者になる前は、大学などで英語の講師をしていました。職場の同僚に誘われてサイマル・アカデミーに通学し始めましたが、その時はまだ翻訳者をめざしていたわけではなく、「勉強してみようかな」という気軽な気持ちだったそうです。

 

そんな中、クラスで最初の課題が出されました。アメリカの投資銀行のエコノミストについて書かれたノンフィクションの翻訳で、先生の苦手な分野でした。あまりリサーチをすることなく提出し、添削付きで返却された「誤訳だらけ」の自分の原稿と、高評価だったクラスメイトの原稿を見比べて「唖然とした」と言います。英語が得意だと思っていたのは勘違いだったということに、その時気づいたそうです。

 

その後、「クラスで1〜3番くらいの成績になれるまでは頑張ろう」と一念発起。平日は仕事、休日はアカデミーという忙しい日々を3年半送り、ついに小説の翻訳をする話を、当時の講師である菊池光先生から持ちかけられました。その時手がけた本のジャンルは、数年前から好んで読んでいたという「ドロドロ・おぞましい系のロマンス」。430ページほどの分量を、半年近くかけて訳しあげました。やがてその本が出版された時の喜びは今でも覚えていて、「書店を3〜4軒回って訳書が平積みされているのを見に行った」そうです。

 

プロになるまでの、仕事をしながら学習を続けた3年半について、「大変ではあったが、勉強していくにつれて読解力や表現力が少しずつ伸びていることが分かった。それと、サイマルに通学して学習することが生活の一部になっていた」と振り返りました。だから続けることができたのだそうです。最後に、ゼロから翻訳者への道を進んだ先生は、「経験や知識は、最初はなくても大丈夫。でも、最初の一歩を踏み出さなければ何も始まらない。」という言葉で締めくくり、学習を始めようか迷っている方の背中を押しました。

 

 

 

 


セミナー後に取った参加者のアンケートでは、「学習に対する姿勢の大切さに気づかされた」という声が多く見られました。年齢や経歴、そして今後の重要など、不安に思うことはあるかもしれませんが、「最初の一歩を踏み出さなければ何も始まらない」ということと、「やる気次第」で力をつけていくことで、その不安要素を取り除けるということが参加者の方々に届いた回となりました。

 

パート1とパート2をそれぞれお送りしましたが、最後のパート3はお二人の対談です!

その模様は次の記事にてご紹介しています。ぜひそちらもご覧ください。

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