2015年2月11日開催 『通訳者・翻訳者への道』 アフターレポート

  • 2015.03.11 Wednesday
  • 10:40
サイマル・アカデミーでは、定期的にセミナー「通訳者への道」「翻訳者への道」を開催しています。

今回は、サイマル・グループ50周年特別企画として、通訳の第一線で活躍中、NHK番組「プロフェッショナル仕事の流儀」でも注目を集めた長井鞠子さん、日本の会議通訳者の草分け的存在である小松達也先生、サイマル・アカデミーの人気翻訳講師Peter Durfee先生の3名を講師に、特別セミナー「通訳者・翻訳者への道」を2/11(水・祝)に開催しました。 

ここでは、第1部 長井鞠子さんによる「伝える極意に学ぶ通訳とことば」についてレポートをお届けします。
★ 第2部「通訳と翻訳の魅力」のアフターレポートはこちら ★
映画 セミナーの様子は動画で配信中!

nagai1.png<プロフィール>
長井鞠子(ながい まりこ)
サイマル・インターナショナル専属会議通訳者・顧問
先進国首脳会議(サミット)をはじめとする数々の国際会議やシンポジウムの同時通訳を担当。各国要人や各界著名人の随行や記者会見通訳も多数。通訳の内容は、政治・経済のみならず、文化・芸能、スポーツ、金融、ITほか、あらゆる分野にわたる。年間200件近い業務を請け負う。

「通訳者・翻訳者になりたい方がこんなにもたくさん来られたのは驚きです。」そんな言葉から始まった長井さんの講演。長井さんが通訳を始めた当時は、通訳者=職業という認識はあまりなく、時代の流れに乗って成り行きで通訳者を始めたいわば『時代の産物』だそうです。
1964年に開催された東京オリンピックでのアルバイト(当時はボランティアという概念がなかった)を通じて通訳者としてのキャリアをスタートし、2020年東京オリンピック招致団の通訳者としても活躍した長井さんは2つのオリンピックに関わった通訳者として注目されています。その長い通訳人生の原動力は「通訳は人と人をつなぐ楽しい仕事。本来話が通じない人たちの間に私(通訳)が入ることでコミュニケーションが成立する」ということを実感した経験からだそうです。

◆通訳の仕事の醍醐味
nagai2.png「いま、時代が、世界がどんな方向に向かっているのか、波頭に自分が立って最先端の話題を自分の口で語っていると感じる。その時々で一番話題になっていることを最先端の方が語るそばで通訳する。」それが通訳者の醍醐味と仰っています。
そのエピソードは冷戦終結の時代に遡り「ロンドンでのサミットで、当時のゴルバチョフ大統領がゲストとしてサッチャー首相に呼ばれて入ってきました。柔和な表情を湛え笑顔で入ってきて、世界の7カ国のリーダーと一緒になったその瞬間を通訳ブースのガラス越しで見たとき、「冷戦は今終わったな」と感じました。」
時代や世界の流れと共に仕事をしてきた長井さんならではのエピソードだと感じるお話ですが、「精進していれば、人と人をつなぎながら時代の波頭に立ち、サーフィンしながら進んでいける世界が開けてくる」と、通訳者を志すみなさんへメッセージを送ってくださいました。

今回のセミナーでは、事前に参加者の皆さんから講師への質問をお寄せいただき、皆さんの関心の高いトピックを語っていただきました。

◆通訳者に向いている資質
1.  語ること、表現することにパッションがある人。良い意味でおしゃべりな人。
2.  勉強・準備を厭わない人
しっかりと勉強や準備をすることによって、良い結果(仕事)につながっていく。
3.  おせっかい、世話焼きな性格の人
4.  一を聞いて十を知るような、要領の良さ
例えば大量の資料から大事なところを抜き出せるかどうかが問われます。
5.  好奇心旺盛な人
通訳者は日々違うジャンルの仕事をするので、毎日勉強する内容が異なります。
6.  人間に対する興味
「何で人間はこういうことをするのだろう?こんなことを考えのだろう?」と、人・文化・国によって異なる考え方への興味は通訳者にとって大切。
7.  落ち込まない引きずらない、楽観的な人
一度発した言葉は取り返せないので、ずっと引きずっているとなかなか道は開けない。
8.  若干の自己顕示欲
堂々とスピーチをしている話者の通訳は、堂々としていないと伝わらない。「私の言うことを聞いて」という気持ちが大切。

◆モチベーションの保ち方
今いる世界から少し違う世界に趣味を見つけること。そうするとねじれた脳内がいつの間にかほどけて、ストレスから解放されているそうです。長井さんはオーケストラでビオラを演奏されていて、仕事だけに集中しないことがポイントと語っていました。

nagai3.png◆長井さんと読書
今回のセミナーでは読書という言葉を多く耳にしました。長井さん曰く、日本語力の向上にも知識・通訳スキルの向上にも読書は欠かせないそうです。フィクションでも論文でもとにかく自分の興味関心がある本を読むことで、語彙力や表現力が身についてくる。例えば長井さんは日々、目の前に情景が広がるような通訳を心がけて、そのためにも読書を通じて情景描写や想像力を鍛えているそうです。


日々好奇心を持って、いろいろなことに目を向け、そして読書などを通じて知識を深める。通訳者・翻訳者をめざしている人だけでなく、どんな職業の人にも通じる「人生をより豊かにする方法」だなと感じました。

その他会場内から「長いポーションはいかに訳すのか?」「通訳者として気を付けていることは?」など様々な質問が上がりました。その答えはぜひ動画の完全版でご確認ください!

旗 長井さんの著書『伝える極意』(集英社新書) 好評発売中!
旗 長井さんの特別メッセージはこちら
旗 通訳者になりたい方はぜひサイマル・アカデミーへ!
 

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